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「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」における令和7年度新規プロジェクトに採択

投稿日2025/1/21

東海大学ではこのほど、科学技術振興機構の「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」における令和7年度新規プロジェクトに採択を受けました。SPRINGは、博士後期課程(博士課程)の大学院生が研究に専念できる環境を整備し、卓越した博士人材の育成や輩出を目指すプログラムです。博士後期課程の大学院生は、日本の科学技術・イノベーションの将来を担う存在として期待されていますが、近年、経済的な理由や就職への不安感から、修士課程から博士後期課程への進学者数や進学率が減少傾向にあり、危機的な状況が指摘されています。SPRINGは、そういった状況を踏まえ、既存の枠組みを越えて優秀な博士後期課程の大学院生の選抜などを行う事業統括を大学ごとに選定し、選抜された大学院生への生活費相当額および研究費の支給や、キャリア開発・育成コンテンツの提供を始めとする多様な支援が行われます。

SPRINGに採択された本学のプログラムは、「東海大学のスケールメリットと総合力を活かした基礎支援と特色ある人財育成プログラム(Tokai-SPRING SACRA=Supporting Aspirational Career development and Research Activities)」で、大学院生一人当たり生活費相当額として240万円/年、研究費として42万円/年を支給し、研究と自らのキャリア形成に専念できる環境を整備。博士学生支援室を設置し、全学的な支援体制を構築するほか、研究者や事務職員とともに研究活動の企画・マネジメント、研究成果の活用促進などを担うURA(University Research Administrator)による支援も計画しています。さらに、本学熊本キャンパスや阿蘇くまもと臨空キャンパス、札幌キャンパスの実習施設を活用して研究調査や実習補佐に取り組む「分野横断・キャンパス派遣体験」、企業や自治体の関係者とチームを形成して課題設定力の強化やラストパーソンとしての責任感を培う「地域課題抽出・解決ハッカソン」、国や大学に集積した博士人材データを用いた自己分析や企業研究を通じた博士のアクティビティ強化を目指す「博士オートポイエーシス」といった博士課程後期在籍中に取り組む多彩なキャリア形成プログラムも用意しています。また、本学卒業生の企業経営者が集う「欅の会」と連携した「インターンシップ」や本学が連携協定を結ぶ海外の大学への「留学研鑽」、特定助手・助教制度との連携による多層的なキャリア支援である「キャリアパス開発」といった取り組みも通じて、融合的思考力や独創的企画力、フロンティア開拓力などの能力を培います。

プログラムの策定に携わった大学院総合理工学研究科の喜多理王研究科長(理学部教授)とURAの荒砂茜准教授は、「国の政策として博士の学位を持ち、社会で活躍できる人材の育成が進んでおり、2040年における人口100万人あたりの博士号取得者数を世界トップレベルに引き上げる(2020年度比で約3倍)という目標が掲げられています。今回採択されたTokai-SPRING SACRAでは、この動きに対応し10年後には、博士後期課程の入学者数を24年度の3倍にあたる120名を目指します。学生たちには、学部や修士課程で自分の基盤となる基礎力と専門性を身につけた上で、桜の花びらと木の幹から広がる葉をイメージしたSACRA(サクラ)のプログラムによって社会で求められる能力を培ってもらいたい」と話しています。

本学の事業統括を務める学長室の濱本和彦部長(情報理工学部教授)は、「本事業では企業や同窓生など校友との連携も積極的に進めていく考えです。総合大学である東海大学のスケールメリットを生かし、理工系だけではなく人文・社会学系の大学院も含めて総合力を発揮できるプログラムを構築しました。ぜひ多くの学生に大学院進学に興味を持ってもらい、高い専門性と広い見識を併せ持ち、世界規模で活躍できる人材に育ってもらいたい」と呼びかけています。

◆詳細はこちらの東海大学オフィシャルニュースよりご覧ください。